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菅野邦彦のファースト・アルバム

2015-02-21 | JAZZ
前回掲載した平尾昌晃の「おもいで」で気付いたのですが、もう一方の曲である「しあわせは音もなく」、
この作曲者である「菅野邦彦」の名前が目に留まりました。(いままで知りませんでした)


菅野邦彦は、1936年11月13日東京生まれのジャズ・ピアニストで、1960年頃から鈴木勲、ジョージ大塚とトリオで活動を開始しています。
その後、来日したトニー・スコット(cl)に丸ごと抱えられてカルテットとなり、63年のからの松本英彦カルテットを経て、ソロを含め多くのセッションに参加してきました。

菅野邦彦は余りにも繊細な持ち主であったことから、大きいホールでの演奏は苦手で、レコーディングには消極的だったので、既に中堅の一人になっていたピアニストの1stアルバムは、我々にとって演奏に接することができる唯一の手段でした。
そして聴いた途端、そのテクニックに驚き、それからというもの、ず~と聴き続けています。

そこで、平尾昌晃の繋がりで、久し振りに最初のレコーディングとなった「フィンガー・ポッピン」を聴いてみました。
冒頭の「しあわせは音もなく」から7年後のレコーディングです。

「FINGER POPPING」 日本コロムビア(Takt)XMS-10007-CT
   
1. FINGER POPPING
2. FOR CARL
3. POLKA DOTS AND MOONBEAMS
4. BARBADS
5. BLUES FOR JIRO
6. I CAN’T GET STARTED
7.BYE BYE BLACKBIRD
菅野邦彦(p) 池田芳夫(b) 山崎弘(ds)
録音 1968年7月28日、29日  

菅野の演奏は、非常にセンシティブでピアニスティックであり、彼の弾くブルースは抜群です。
右手で弾く速くてきらびやかな高音、左手による独特のリズム、米国のピアニストに例えれば、レッド・ガーランド、ハンプトン・ホース、エロール・ガーナー、フィニアス・ニューボーンJr. と、挙げたら沢山いますが、その中からエッセンスを抜き取ったようなテクを披露してくれます。

このアルバム、
速い曲からスローな曲まで、スインギーでダイナミックな演奏が展開されています。
「ポルカ・ドッツ・・・」ではソロ・ピアノも披露しているし、若い2人のバッキングも好演しています。

このアルバム、
録音技師は3歳年上の実兄、菅野沖彦、
ジャケットのカバー・フォトは、64年のマイルス・デイビスの来日公演でも素晴らしい写真を披露した宮下明義が担当しています。


時は過ぎて・・・
79年には、当時の松本英彦カルテットの再現となる同メンバーによるレコーディングもされています。
「FOUR WINGS」 TRIO RECORDS PAP-9197
 
1曲目の「スピーク・ロウ」はピアノ・トリオの演奏ですが、他はリーダーの出番が多く、菅野のピアノを楽しむレコードではありません。
当然と言えば、当然ですよね。

コメント
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